生きていくには仕事が欠かせない。
どんな小さな仕事でも、なんでも生きてる限り働きつづけるのだ。
大学を卒業してなんとなく就いた仕事
今からおよそ10年前。
大学を卒業し、なんとなく働いていた。
大学では英語を専攻していたこともあり、英語を使って仕事をしたいという理由で、23才から29才まで農業機械を輸入する仕事に就いた。
巨大化、機械化しすぎて人間の手を離れていく農業に疑問を感じて、29才で仕事を辞めることにした。 自然を相手にしているのに自然じゃないことがとても不自然に思えた。その世界に自分が加担していると思ったら居心地が悪かった。
映画「未来の食卓」
▲フランスの小さな村が給食をオーガニックにしようとするドキュメンタリー映画。この映画を観ていて、自分の取引をしている会社がこの映画に出てくる農薬散布の機械をつくっていることを知って居心地のわるさが増した。
じわじわと疑問を感じていたので、自分の中の区切りとして、30才までには心の底から望んだ仕事に就こうと決めていた。そして、食に関係する仕事がいいと感じ始めていた。
そして、縁あって、食に関係する仕事につくことができた。しかも、自分の30才の誕生日の次の日に。
毎日毎日精一杯働いた。体も心もすり減らして働いた。これを乗り越えれば、これを我慢すれば、きっとうまくいく。だって天職なはずだもの。
望めば叶う、好きな仕事に就いた!と思っていたはずが…
天職だと信じてやまなかった仕事は全然うまくいかなかった。自分が大好きで、毎日の基本だと思っていたごはんを作ることさえも全くできなくなって、眠れず、眠れないから朝も起きれないという日が続いた。
このままじゃ自分がだめになる。
そう思って、仕事をしばらくお休みすることにした。
自分を見つめなおす時間で自分を取り戻した
ゆっくりして、たくさん寝て、少しずつごはんをつくるようになって、会いたい人に会いに行った。本も少しずつ読んだ。
そして気づいた。
あんなに天職だと信じていた仕事がそうじゃなかった理由を。
「自分で動かしている」という感覚が全くなかったからだった。
自分で動かせることって何?本当の仕事とは?
自分が自信を持ってできることで、人に喜んでもらえることがひとつだけあった。
それは「クッキーを焼くこと」だった。
バターを使わないのにやさしくて不思議とおいしいクッキー。
洋菓子をあまり好まない年配の方や、男の人も、お菓子が好きな女の人もわたしが作ったクッキーを「また食べたい、これを待ってたのよ」と言ってくれたり、「夫はクッキーを食べないのに、これだけは独り占めして食べるのよ」、と言ってくれたり、「普段はお菓子づくりしないけど、このクッキーを焼きたいからレシピを教えて」と言ってもらえた。
自分が好きで、喜んでもらえるこのお菓子をなんとか仕事にしよう。
じゃあ起業しよう!
コンセプトは乳製品を使わないお菓子、北海道産食材をつかったお菓子で、添加物を使用しない安心して食べられるお菓子にしたい。
名前はこのブログと同じ、それを短くして「TORIMIGI(とりみぎ)」。
まだ準備段階だけど、ショップカードと自分の名刺をつくってもらった。

▲幸いにもパートナーがデザインのしごとをしていて、協力してくれた。
とりが右に飛び立ち、犬は左を向いている、しかも冷えとりの靴下をはいているのがキュート!
